Case 40 急性の嘔吐症状の犬

Case 40 急性の嘔吐症状の犬

数日前、嘔吐症状が始まった。
何度も嘔吐を繰り返しており、来院時はややぐったりした状態であった。

触診にて、3~4cm程度の塊を確認できた。

超音波検査を実施。
消化管内に、1/4の円形?と思われる、無エコー像の物体を認める。
(無エコーとは、超音波検査で真っ黒になる所)

消化管内異物が強く疑われるため、異物摘出のため開腹手術を実施した。

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写真の右側のふくらみ。
この部分に異物が入っている様子。

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腸管を切開し異物を摘出しているところ。

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飲み込んでいた異物。
スーパーボールのかけらのようである。

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数日様子を見ていたため、消化管の状態が悪い。
血行不良を起こしている組織は、癒合不全や壊死を発生することがあるため
切除を実施した。

この異物は、昔よく遊んでいたおもちゃである。
半年前くらいから見かけていないらしい。

飲み込んだのは、かなり前なのかもしれないです。
胃の中に異物がある時には、症状が出ないことがあるのですが
胃から腸管に流れ込んだときに、嘔吐症状を発生することがあります。

かじって遊んでいるうちに、間違って飲み込んでしまうことってあるので
オモチャなどは、遊びおわったら片づける事は大切ですよ。

手術後の経過もよく、非常に元気に退院した。