Case90 雑種猫 6か月 エーラスダンロス症候群

Case90 雑種猫 6か月 エーラスダンロス症候群

今回紹介する猫ちゃんは珍しい病気をもっています。

耳を痒がって後ろ足で耳元を軽く掻いていただけとのことですが、軽く掻いただけではできないようなひどい傷ができていました。

※以下、傷口の写真が出てきます。苦手な方ご遠慮ください。

このように左の耳の付け根の皮膚が大きく裂けています。本人はそれほど痛がっていない様子でした。反対の耳元も同じ様に裂けたことがありました。喧嘩などの外傷があれば、傷ができることもありますが、自分で軽く掻いただけだとすると異常です。

写真をご覧ください。全身の皮膚が異常に伸びることが分かります。

症状から、エーラスダンロス症候群が疑われました。この病気は人間にもある先天的な病気です。皮膚を構成するコラーゲンなどの結合組織の代謝異常により、皮膚の異常な伸展性、脆弱性(脆く、簡単に裂ける)がみられる病気です。根本的な治療法は無いため、身体を掻かないことや外傷に気を付け、傷ができた場合は感染を起こさないよう対応します。

普段は病気のない猫ちゃんと何ら変わりのない生活を送ることができます。命に関わる病気ではないですが、傷を見たらびっくりしてしまうと思います。うちの子も同じだ!と思ったら慌てずに動物病院にご相談ください。