Case77 8歳6ヶ月 猫 雑種 雄 呼吸促拍と脱力

Case77 8歳6ヶ月 猫 雑種 雄 呼吸促拍と脱力

脱走癖があり今回も脱走。自宅に帰還後ハァハァと呼吸が早く、脱力して横た
わっていました。緊急のため、夜間に来院されました。
診察してみると、意識がもうろうとしてぐったりしている様子。体温は低く、
後肢は麻痺して動かせず痛みもありました。
危険な状態なので、状態を回復させながら検査を行っていくとレントゲンで異
常な部分が見つかりました。
図1が本症例のレントゲン画像で、図2が猫の骨盤の正常な画像。

図1
図2

骨盤が骨折(オレンジ矢印)していて、一部脱臼(緑矢印)している様子が確認されます。
猫が交通事故に巻き込まれると骨盤を骨折することが多く、本症例も交通事故に巻き込まれた可能性があります。
輸血などの治療を行い状態が改善したため、骨盤を整復する手術を行いました。
下の画像は、手術後のレントゲン写真です。ネジを二本使って、骨盤全体を固定した(矢印)。

手術後も治療を続けた結果、後肢を徐々に自力で動かせるようになり、やがて四肢を使って立ち上がり、排泄できるまでに回復しました。
ワンちゃんネコちゃんは体が小さいので、交通事故で命を失ってしまうことが多々あります。お散歩で外に出るときは周りに注意し、また脱走しないようにより一層工夫して頂けると幸いです。