パテラとは?
パテラは、動物の後ろ足にある膝関節の一部で、「膝蓋骨(しつがいこつ)」とも呼ばれる小さな骨のことです。この骨は、すねの骨(脛骨)や股関節と関係し、膝関節を守り、スムーズに動かすためのクッションのような働きをしています。しかし、一部の犬や猫では、このパテラが本来あるべき位置からずれてしまう病気、”膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)”が発生することがあります。この状態になると、足を引きずったり、痛みを感じたりするため、早めの診断と治療が重要です。
膝蓋骨脱臼の主な症状
- 足を引きずる、または片足を上げたまま歩く。
- ジャンプや走る動作を嫌がる。
- 時折、足を伸ばしたり曲げたりする。
跛行とは?
獣医師が動物に対して「跛行(はこう)」という言葉を使う場合、これは動物の歩行や動きに異常がある状態を指します。
具体的には、以下のような状況が「跛行」に該当します。
- 歩き方の異常:動物が痛みや不快感のために正常に歩けない状態
- 負重の変化:一部の足に体重をかけるのを避ける動作(負重跛行)
- 動作の異常:痛みや筋力の問題で歩行のリズムが乱れる場合
跛行はさまざまな原因で起こります。
- 外傷:打撲や骨折、脱臼、そして爪や肉球の傷
- 関節疾患:関節炎、変形性関節症、股関節形成不全
- 筋肉や靭帯の問題:筋肉の炎症、断裂、靭帯損傷(例:前十字靭帯損傷)
- 神経系の障害:椎間板ヘルニア、神経麻痺
- 感染症や炎症:骨髄炎、腱鞘炎
- 先天性や発育の問題:骨の奇形や成長板の異常