離断性骨軟骨炎(OCD)について

離断性骨軟骨炎(OCD)について

離断性骨軟骨炎(OCD)について

離断性骨軟骨炎(OCD)は、主に中から大型犬に見られる骨や関節の病気で、特に成長期に発生しやすいです。

離断性骨軟骨炎(OCD)とはどんな病気?

骨の成長過程で軟骨が正常に骨に変わらず、関節内で剥がれることで発症します。この剥がれた軟骨が「フラップ」と呼ばれ、関節内で炎症を引き起こします。適切な治療を行わないと、関節の痛みや足を引きずるような歩き方が進行し、日常生活に影響する可能性があります。

離断性骨軟骨炎(OCD)の主な原因

  1. 遺伝的な要因
    特定の犬種や血統で発症率が高いことが知られています。
  2. 急成長
    栄養価の高い食事を与えすぎると、体の成長が速くすぎて、骨や軟骨の発達が追いつかないことがあります。
  3. 体重の増加
    成長期に体重が増えすぎると、関節に余計な負担がかかり、OCDを発症しやすくなります。
  4. 栄養バランスの乱れ
    カルシウムやビタミンなどの栄養過多は、軟骨の正常な発達を妨げることがあります。

よく見られる症状

  • 足を引きずるような歩き方(跛行)
  • 関節の腫れや痛み
  • 運動を嫌がる
  • 片方の足を浮かせる仕草

離断性骨軟骨炎(OCD)が発生しやすい部位

  • 肩(上腕骨頭)
  • 肘(上腕骨内側上顆)
  • 膝(大腿骨遠位部)
  • 飛節(距骨滑車)

診断方法

  • 身体検査: 歩き方や触診で異常を確認します。
  • レントゲン検査: 関節の異常を画像で調べます。
  • 関節鏡検査: 関節内を直接観察する精密な検査法もあります。

治療法

  1. 保存療法
    軽症の場合、以下の方法が推奨されます
    体重管理: 適正体重を保つことで関節への負担を軽減します。
    運動制限: 関節への負担がかかりすぎないよう、運動量を調整します。
    栄養管理: バランスの取れた食事を与え、急成長を防ぎます。
  2. 外科的治療
    剥がれた軟骨片(フラップ)が関節内にある場合、外科手術でこれを取り除くことがあります。適切な治療を行えば、痛みの軽減や正常な運動機能の回復が期待できます。