肩(肩甲骨)の骨折について

肩(肩甲骨)の骨折について

肩(肩甲骨)の骨折について

ペットの肩甲骨骨折は、高所からの転落や交通事故などの外傷によって起こることが多い怪我です。肩甲骨は、前足を支える重要な骨であるため、この骨が骨折すると痛みが出たり、動きが制限されます。

肩甲骨骨折とは?

肩甲骨は、背中の上部に位置する扁平な骨で、周囲の筋肉によって保護されています。肩甲骨が骨折すると、以下のような症状が見られることがあります。

  • 前足を使わない、または不自然な歩行
  • 触れると強い痛みを訴える
  • 腫れや内出血

また、肩甲骨の骨折の半数以上で、肺挫傷や肋骨骨折などの胸部外傷が併発することもあります。

肩甲骨骨折の治療法

1. 保存療法(手術が不要な場合)

肩甲骨の骨折は自然治癒能力が高いため、軽度の骨折では以下の保存療法が選択されます。

  • 安静管理:運動を制限し、リハビリ期間を設けます。
  • 痛み止めや抗炎症剤の投与:痛みを和らげ、回復をサポートします。

ただし、保存療法では回復に時間がかかることや、跛行が残るリスクがあるため、慎重な経過観察が必要です。

2. 手術療法(重度の骨折の場合)

骨がずれていたり、関節の動きに支障をきたす可能性がある場合は、手術が必要です。肩甲骨骨折の手術では、以下の方法が用いられます。

  • プレート固定:骨を正しい位置に戻し、プレートとスクリューで固定します。
  • テンションバンドワイヤー:筋肉の引っ張り力に耐えるための固定法です。
  • ラグスクリュー:関節近くの骨折に適した固定法です。

それぞれの手術方法は、骨折の位置や種類に応じて選択されます。

術後のケアと回復

術後管理

術後は早期の回復を促すために、以下の管理が行われます

  • 体重負重の制限:必要に応じて包帯を使用し、無理な負担を防ぎます。
  • 食事の管理:骨の修復に必要な栄養素を含む食事を提供します。
  • 定期的な診察:回復状況を確認するため、動物病院でのフォローが重要です。