動物の腰骨(椎体)の骨折について

動物の腰骨(椎体)の骨折について

骨動物の腰骨(椎体)の骨折について

動物の腰骨(椎体)の骨折について

椎体骨折の原因、治療法、術後ケアについてご説明します。

椎体骨折とは

椎体とは、背骨を構成する骨の一部です。椎体が骨折すると、体の支えや脊髄の保護が損なわれ、深刻な症状を引き起こすことがあります。
代表的な症状として、以下が挙げられます。

  • 歩行異常(足を引きずる、歩き方がぎこちない)
  • 不自然な体勢や動きの制限
  • 疲れやすさや活動性の低下

これらの症状がある場合、早急に動物病院にご相談ください。

椎体骨折の主な原因

椎体骨折は、以下のような状況で発生することがあります。

  1. 転倒や滑り
    家庭内での滑りやすい床面での事故
  2. 高所からの落下
    ソファや窓枠などの高い場所からの落下
  3. 喧嘩や衝突
    他の動物との喧嘩や、遊んでいる際に激しくぶつかってしまった場合など
  4. 交通事故
    車やバイクとの接触事故
  5. 病的骨折
    腫瘍、感染症、栄養不足など、骨の強度が低下している場合に発生する骨折

椎体骨折の治療

椎体骨折の治療は、症状の程度や動物の状態を評価し、慎重に選択します。
当院でご提案する主な治療法は以下の通りです。

  1. 保存療法
    軽度の骨折では、装具を使用して動きを制限し、安静を保つことで自然治癒を促します。
  2. 外科手術
    骨折が重度で脊髄への圧迫がある場合は、手術による治療を行います。
    ・スクリューやプレートによる固定
    ・ピンやワイヤーによる固定(特に小型犬や猫の場合)
    ・胸腰椎骨折にはテンションバンド法を適用
  3. 術後ケア
    術後は、動物の痛みを軽減し、感染症を予防するために薬物療法を行います。また、適切なリハビリテーションを通じて回復をサポートします。

術後のリハビリとケア

術後のケアは回復を左右する重要なプロセスです。当院では、以下のポイントを重視しています。

  • 体位変換:清潔な環境で定期的に体位を変えることで、褥瘡や筋力低下を予防します。
  • 膀胱ケア:尿貯留の管理を行い、泌尿器系の感染症を防ぎます。
  • リハビリテーション:軽度の運動や物理療法を通じて筋力と可動性を回復します。