にんにくを大量に食べてしまい、夜間病院で催吐処置を行ったが、少し元気がなく血尿し たとのことで来院。
血液検査上では肝数値と炎症値の上昇が見られ、尿がかなり赤黒くなっていたため洗浄を 行いました。
一週間後の再診では元気は回復したものの、前回よりも貧血が進行しており、顕微鏡上で はハインツ小体というねぎ中毒の際に見られる物体が確認されました。
玉ねぎには「有機チオ硫酸化合物」という成分が含まれています。この有機チオ硫酸化合 物は、人に対しては抗ガン作用や血栓予防効果など、さまざまな良い効果をもたらすので すが、犬においては赤血球や赤血球中のヘモグロビンを酸化するため、赤血球が破壊(溶 血)されてしまいます。この際確認できるのが上記のハインツ小体になります。
この症例ではさらに 1 週間後には貧血が回復し始め、状態は改善してきています。
玉ねぎやにんにくなど、ネギ類を食べてしまった際は早めに病院を受診するようにしまし ょう。