肺水腫について
肺の中に水がたまって、酸素と二酸化炭素とのガス交換ができなくなっている状態をいいます。
最もよく見られるのは心疾患に伴って、血液の流れが悪くなることで肺水腫に陥るケースです。
原因
僧房弁閉鎖不全に代表される心臓病によって起きる場合や、気管支炎などの肺につながる気道の炎症から起きる場合があります。
症状
軽い場合は、運動の後にせきをしたり、苦しそうに呼吸をする症状があらわれます。
重症になると、呼吸が浅く速くなったり、ゼーゼーと音をたてて呼吸をしたり、せきもひどくなり、前足をつっぱった状態で呼吸することもあります。
治療
まず、肺水腫になった原因を特定することが重要であることは言うまでもありませんが、肺水腫が起きている状態は、悪化すると命の危険と直結するため、場合によっては動物にとって負担の大きい検査は後回しにして、肺水腫自体の治療を優先させなければなりません。
治療法としては、肺にたまった水分を除去するための利尿剤の投与や、ニトロなどの血管拡張剤の投与などのほか、併せて酸素吸入などの処置を行います。
危機的な状況が改善して、はじめて原因に対してのアプローチが可能となります。