Case80 5歳11ヶ月 シーズー 避妊雌 角膜潰瘍

Case80 5歳11ヶ月 シーズー 避妊雌 角膜潰瘍

右目が開きずらそうとのことで来院。
診察時、多量の涙が出ていて目がしょぼついており、本人も痛みを感じていました。
そこで、眼の表面に傷がないかチェックを行いました。
図1が正常な眼です。目の表面はガラスのように滑らかなので、緑色の染色液を垂らしても下に流れてしまいます。
一方、今回の症例の眼が図 2 になります。黒目の部分が緑色に染まっています。
つまり、『黒目に傷が出来て穴になっている』ことを示しています。

つまり、今回眼が開きにくそうにしていたのは、眼の表面に穴が空いてしまってい たからでした。
すぐに点眼薬を使って治療を行い、1 週間後にはほとんど穴が塞がりました(図3; 矢印)。

図3

この症例では上側の瞼に腫瘤が出来ていて(図4;丸で囲まれた部分)、これが繰り返し目に触れたことで穴が出来た可能性が高いです。
そのため、その腫瘤も切除(図 5)して治療を終了としました。

左:図4 / 右:図5

眼の病気は悪化する速度がかなり急激なので、大変恐ろしいです。
もしも、ペットさんの眼の異変に気づいたら、早めの診察をお願い致します。